「スクールに通いたいけど、費用が高くて踏み出せない」
「リスキリングで使える補助金があると聞いたけど、どれが使えるのかわからない」
「教育訓練給付金って、自分は対象になるの?」
スキルを学び直して転職・キャリアチェンジを目指したいと思っていても、費用の壁が立ちはだかって踏み出せない方は多いです。
実は、国や自治体にはスキル習得を支援するさまざまな補助金・給付金制度が用意されています。
うまく活用すれば、スクール費用を最大70%以上抑えられることもあります。
この記事では、リスキリングに使える主要な補助金・給付金制度をまとめます。
リスキリングとは?なぜ今注目されているのか
リスキリングの意味
リスキリング(Reskilling)とは、現在の仕事に必要なスキルとは異なる、新しいスキルを身につけることです。
「学び直し」とも表現され、転職・キャリアチェンジ・副業を目的としてITスキルやビジネススキルを習得することが主な内容です。
なぜ今、リスキリングが重要なのか
AI・デジタル化の急速な進展により、これまで人間がやっていた仕事の一部が自動化されています。
同時に、デジタルスキルを持つ人材の需要は急拡大しています。
政府もこの流れを受け、「リスキリングによるキャリアアップ支援事業」など、個人のスキル習得を支援するための制度・予算を大幅に拡充しています。
「自分のキャリアは自分で守る」時代において、リスキリングは特別なことではなく、当たり前の選択肢になりつつあります。
リスキリングに使える補助金・給付金の全体像
スキル習得に使える主な支援制度は以下の通りです。
| 制度名 | 運営 | 対象 | 支給額目安 |
|---|---|---|---|
| 教育訓練給付金(一般) | 国(厚生労働省) | 在職者・離職者 | 受講費の20%(上限10万円) |
| 教育訓練給付金(特定一般) | 国(厚生労働省) | 在職者・離職者 | 受講費の40%(上限20万円) |
| 教育訓練給付金(専門実践) | 国(厚生労働省) | 在職者・離職者 | 受講費の50〜70%(上限168万円) |
| ハロートレーニング | 国・都道府県 | 求職者 | 受講料無料(一部テキスト代等実費) |
| 母子家庭自立支援給付金 | 都道府県・市区町村 | ひとり親(母子家庭) | 受講費の60〜100% |
| 各自治体独自の支援 | 都道府県・市区町村 | 自治体による | 自治体による |
最も活用している人が多く、対象範囲が広いのが教育訓練給付金です。
まずはこの制度を中心に理解することをおすすめします。
最重要制度①:教育訓練給付金
教育訓練給付金とは
教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。
雇用保険の被保険者(または被保険者であった方)が対象で、転職・キャリアアップを目的とした学習を国が金銭的に支援してくれます。
3種類の給付金の違い
① 一般教育訓練給付金
- 支給額: 受講費用の20%(上限10万円)
- 対象講座: 語学・IT・ビジネス系の比較的幅広い講座
- 受給条件: 雇用保険の被保険者期間が通算1年以上(初回は関係なし)
比較的条件が緩く、短期講座でも適用されるケースがあります。
② 特定一般教育訓練給付金
- 支給額: 受講費用の40%(上限20万円)
- 対象講座: ITSSレベル2以上のIT系資格、介護・建設業界の特定資格取得講座など
- 受給条件: 雇用保険の被保険者期間が通算3年以上(初回は1年以上)
- 特徴: 受講開始前にハローワークでの手続きが必要
IT・介護など需要の高いスキル習得に特化した給付金です。
③ 専門実践教育訓練給付金
- 支給額: 受講費用の50%(上限年間40万円)。就職・転職が成功した場合はさらに20%追加で計70%(上限年間56万円)
- 最大支給額: 最大3年間で168万円
- 対象講座: 専門学校・職業実践力育成プログラム・ITスクール(特定の指定講座)など
- 受給条件: 雇用保険の被保険者期間が通算3年以上(初回は2年以上)
- 特徴: 受講開始の1ヶ月前までにハローワークで手続きが必要
最も給付額が大きく、数十万円〜100万円超のスクール費用をカバーできる強力な制度です。
受給のための基本条件
教育訓練給付金の共通条件
- 雇用保険の被保険者であること(または、離職から1年以内であること)
- 給付の種類によって必要な被保険者期間が異なる
- 厚生労働大臣が指定した「教育訓練給付対象講座」を受講すること
- 受講修了後に申請する(専門実践は在学中から支給開始)
指定講座の確認方法
教育訓練給付金の対象講座は、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム(コード」で検索できます。
スクールを選ぶ際は、受講前に必ず「給付対象講座かどうか」を確認しましょう。
申請の流れ
一般・特定一般教育訓練給付金の場合:
- ハローワークで「受給資格確認」を行う(受講開始前)
- 指定講座を受講・修了する
- 修了後1ヶ月以内にハローワークへ申請
- 給付金が振り込まれる
専門実践教育訓練給付金の場合:
- 受講開始の1ヶ月前までにハローワークで手続きを行う(期限厳守)
- 受講開始後、6ヶ月ごとに支給申請
- 修了後・就職後に追加給付の申請
専門実践教育訓練給付金は、受講開始前のハローワーク手続きが必須です。
「受講してから申請しよう」では適用されません。
スクール申し込み前に必ず確認してください。
最重要制度②:ハロートレーニング(公的職業訓練)
ハロートレーニングとは
ハロートレーニングは、求職中の方が無料または低額でスキルを身につけられる公的職業訓練制度です。
国・都道府県が運営しており、以下の2種類があります。
| 種類 | 対象 | 費用 |
|---|---|---|
| 公共職業訓練 | 雇用保険受給者が主な対象 | 無料(テキスト代等一部実費) |
| 求職者支援訓練 | 雇用保険を受給できない求職者も対象 | 無料(テキスト代等一部実費) |
ハロートレーニングで学べるスキル
- Webデザイン・Webサイト制作
- プログラミング・システム開発
- 経理・会計
- 介護・福祉
- IT系資格取得
- ビジネス系スキル(Word・Excel・簿記など)
ハロートレーニングの活用条件
求職者支援訓練を受けるための主な条件
- ハローワークに求職登録していること
- 月収8万円以下(世帯収入25万円以下)の場合、月10万円の「職業訓練受講給付金」も受給できる
- 訓練中の出席率が8割以上であること
費用が無料な分、人気のコースは倍率が高く、希望の訓練を受けられない場合もあります。
また、訓練開始のタイミングが選べないため、すぐに学び始めたい方には向いていない面もあります。
ひとり親向け制度:母子家庭自立支援給付金
高等職業訓練促進給付金
母子家庭(父子家庭も含む場合あり)の方が、就職に有利な資格取得のために養成機関で学ぶ場合に、生活費として月10万円(住民税非課税世帯)または月7万500円(課税世帯)が支給される制度です。
対象資格例:
- 看護師・准看護師
- 介護福祉士
- 保育士
- 理学療法士・作業療法士
修業期間が6ヶ月以上であれば対象になる場合が多く、最長4年間支給されます。
詳細は各市区町村の担当窓口に確認してください。
自立支援教育訓練給付金
ひとり親の方が教育訓練給付の対象となる講座を受講した場合、受講費用の60%(上限20万円)が支給される制度です。
通常の教育訓練給付金と併用できない場合があるため、事前に自治体に確認が必要です。
自治体独自の支援制度
国の制度に加えて、都道府県・市区町村が独自のリスキリング支援制度を設けている場合があります。
よくある自治体支援の例
- デジタルスキル習得のための補助金(上限5〜30万円程度)
- 女性の再就職支援講座(無料〜低額)
- 中小企業従業員向けのスキルアップ補助
- 地方移住者向けのキャリア支援
お住まいの都道府県・市区町村のホームページや、地域の産業振興センターで確認できます。
制度の有無・条件は自治体によって大きく異なるため、「〇〇市 リスキリング 補助金」などで検索してみましょう。
給付金・補助金を活用してスクールを選ぶポイント
補助金を最大限に活用するために、スクール選びの際に確認すべきポイントをまとめます。
① 教育訓練給付金の指定講座かどうかを確認する
スクールのページに「教育訓練給付対象講座」の記載があるか、または厚生労働省の検索システムで確認します。
同じスクールでも、給付対象のコースとそうでないコースがある場合があるため注意が必要です。
② 転職・就職サポートの実績を確認する
専門実践教育訓練給付金の追加給付(20%)は、「就職・転職成功」が条件です。
スクールの転職成功率・サポート体制を事前に確認しましょう。
③ 費用・期間・学習形式を比較する
同じスキルを学ぶスクールでも、費用・学習期間・オンライン/通学の形式はさまざまです。補助金適用後の実質負担額・自分のライフスタイルに合った形式を総合的に比較しましょう。
Webデザインを学べるスクールの費用・カリキュラム・給付金対応の比較はこちら⇩


よくある質問
Q:在職中でも教育訓練給付金は使える?
A:使えます。 在職者でも雇用保険の被保険者期間が条件を満たしていれば対象です。会社を辞める前から学び始めることもできます。
Q:離職後でも使える?
A:離職から1年以内であれば、受給資格がある場合がほとんどです。 ただし、育児・介護等で雇用保険の被保険者でなかった期間がある場合は、その分延長される特例もあります。ハローワークで確認しましょう。
Q:給付金の申請はいつすればいい?
A:種類によって異なります。 一般・特定一般は修了後1ヶ月以内に申請、専門実践は受講開始前の手続きが必須です。申請期限を過ぎると受け取れなくなるため、事前に確認することが重要です。
Q:ハローワークに行かないといけない?
A:教育訓練給付金の申請、ハロートレーニングの申込みはハローワークでの手続きが必要です。 最近はオンラインで確認できる情報も増えていますが、手続き自体は窓口が基本です。
Q:複数の給付金を同時に使える?
A:原則として、同一の講座に対して複数の給付金を重複して受け取ることはできません。 ただし、時期や講座が異なれば別々に利用できる場合があります。詳細はハローワークにご確認ください。
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まとめ:補助金をフル活用してリスキリングを始めよう
リスキリングに使える主な制度を整理しました。
おさえておきたいポイント
- 教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践)は最も使いやすい制度。まず自分が対象かをハローワークで確認する
- ハロートレーニングは費用ゼロで学べる制度。求職中の方には特におすすめ
- ひとり親の方には母子家庭自立支援給付金など追加の支援がある
- スクール選びの際は「給付金対象講座かどうか」を必ず事前に確認する
- 専門実践教育訓練給付金は受講開始前の手続きが必須。後から申請はできない
「お金がないからスクールに通えない」という状況でも、制度をうまく活用することで費用の壁を下げることができます。
まずハローワークに相談するか、志望するスクールに「給付金は使えますか?」と問い合わせてみることから始めましょう。
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